ボールウォッチという時計です。
昨日の投稿で自動巻の実態を動画にしましたが、その時計のオーバーホールです。
この時計の不具合ですが、リューズを巻く際にピキッピキッと鳴っているのが分かりますね。
歯車と歯車が噛み合って巻き上げるんですが、噛み合いが浅くなり滑っている音なんです。
画像矢印の部分に隙間が出来ているのが分かると思います。金属が摩耗した結果、この様になります。
部品の名称はキチ車と言います。右がNGで左が正常ですが、パッと見分からないんですよね。
結局組んでリュウーズを巻くチェック時に分かることが多いですね。
この現象が起きやすいムーブメントがあり、起きやすいムーブメントの特徴として一番分かりやすいのは、
リューズでゼンマイを巻く際に、結構重い感じです。
自動巻は振らないで下さいと言ったのに、リューズでゼンマイを巻いてこの現象が起きるならどっちが良いんだって感じになりますね。
一応この現象が起きにくいリューズの巻き方は、リューズを巻く際に巻き上げ方向(12時方向)のみ巻く。逆回転させない事ですね。
でも実は、これも一概には言えないんですけど。
時計師になりたての頃は、リューズは巻き上げ方向に巻いて、逆回転させて巻くと教わりました。行ったり来たり押して引いてみたいな感じで巻くと.........。
これはゼンマイを巻いて逆戻りしないようにコハゼと言う部品があるんですが、この部品の破損防止の巻き方だと思います。
なので結局大事なのは、定期的なオーバーホールを行い油切れにならない様にすると言う事ですね。
バラバラにして、専用の洗浄機で洗います。
組み終わった後のチェック動画ですが。リューズを最初は行ったり来たで巻いています、オイルを馴染ませてその後は一定方向に巻きます。
実はキチ車の異常だけではなく、細部も調整致しました(汗)
想定外で写真撮ってないです。
あと巻いてる途中でシュッ❗️と言う音がしてます。これはゼンマイがスリップしてる音です。
自動巻時計は全巻きになった後、巻き上げてもゼンマイが切れない仕組みになっているんですが。
身近なゼンマイスリップ機能は、チョロQですねいっぱい後ろに引いてもスリップしてますよね。
今日は以上です。
高知の片隅四万十市にて日日是好日
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