今日は自動巻時計の仕組みをオーバーホール中の時計で見てみましょう。
私は、修理品納品時に時計使用の注意点をお伝えしているのですが、自動巻時計の場合必ずお伝えしてる事があります。
自動巻時計は使用しないと止まります、でもウォッチワインダーは使用しない方がいい事は前回のブログで投稿しました。
なので、自動巻時計は使用しないと止まる事が必然になります。
そこで止まった状態から時計を使用する際に、時計を振って動かさないで下さいという事です。
自動巻のローターを回して歯車上の黒い点が、スタート地点から一定の位置まで移動するのにローターを何回ほど回しているか、23回転位回しています。
でもこれだけローターが回っても、ゼンマイの歯車を4分の一回転しか出来ていません。
そしてリューズでゼンマイを巻いた場合です。
一目瞭然ですね。
リューズを一巻きしただけで達しています。
ゼンマイの歯車一回転には6回リューズを巻いています。
ローターで一回転巻くためには、6×23=138回転ローターが回らないといけないという事です。
そしてお客様に納品時お伝えしてるのは、止まった状態から使用する際には、リューズを40回は巻いて下さいとお伝えしています。この位巻くとゼンマイのトルクが安定して時計の精度が安定するからです。そして1日使用して、夜外す時にはゼンマイは全巻状態で1日を終えることができます。そして翌日使用される時は、そのまま使用すれば大丈夫となります。
ちなみにリューズで40回巻きは、ローターの何回転分か?
23×40=920回転です。
振って自動巻時計を使用する意味のなさ、お分かり頂けたでしょうか?
あとゼンマイの巻上げとは別に、振るという事は、時計に衝撃を与える事にもなります。
なので、百害あって一利も無いって感じです(汗)
コメント